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Math Diary

整拡大と付値と極について

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#可換環論#スキーム論#松村

あらすじ

というFFのツイートが流れてきたので、それについて少し考察しました。


表記

AA : 整域、 KFrac(A)K \coloneqq \operatorname{Frac}(A)


付値と極について

 これは私の情報収集能力が低いこともあり、一般的な状況での文献を見つけることができませんでした。なので、間違っていると思って読んでください。

fC(x)f \in \mathbb{C}(x) をとる。この ff と \mathbb{C} 上の点 pp に対して、 vp(f)v_{p}(f) を次のように定める:

ffppnn 位の零点

vp(f)=n>0v_{p}(f) = n > 0

ffppnn 位の極

vp(f)=n<0v_{p}(f) = -n < 0

otherwise

vp(f)=0v_{p}(f) = 0

このように vv を定めると、これは C\mathbb{C} の加法付値になる。

 このことを踏まえると、次のような定義ができそうであると考えられる。

fKf \in K をとる。この ffKK に対して、v(f)v(f) を次のように定める:

ffnn 位の零点をもつ

v(f)=n>0v(f) = n > 0

ffnn 位の極をもつ

v(f)=n<0v(f) = -n < 0

otherwise

v(f)=0v(f) = 0

このように vv を定めると、これは KK の加法付値になる。

以下、この極の定義を採用する。


整と極について

松村可換環論:定理 10.4.

V\mathcal{V}KK の付値環 VVAVA \subseteq V を満たすもの全体とする。このとき、AA の整閉包 A\overline{A}

A=VVV{ \overline{A}} = {\underset{V \in \mathcal{V}}{\bigcap}} V

とあらわせる。


この定理を言い換えると

xxAA 上整である必要十分条件は xx が任意の付値に対して極をもたないことである 。」

となる。

Valuative Criterion for Properness

Spec(V)Spec(A[x]) πSpec(K)Spec(A)\begin{matrix} \quad \operatorname{Spec}(V)& {\large{\longrightarrow}}&\operatorname{Spec}(A[x]) \\ {\large{\uparrow}} & {\large{\nearrow}} & {\large{\downarrow}} \pi \\ \quad \operatorname{Spec}(K)& {\large{\longrightarrow}} & \operatorname{Spec}(A)\end{matrix}

という図式を考える。

 ここで、 xxAA 上整のとき、Valuative Criterion for Properness より π\pi は proper (ファイバーが位相空間的にコンパクト)であり、穴がないと言える。整でないとき、π\pi は proper でなく、ファイバーに穴がある空間となる。 

 この観察から、ツイートの (2) を考えると、pp 上に複数の点があり、そのある点上の局所環を考えることは、ファイバーの全体ではなく一部しか見ないことに他ならず、穴が空いた空間を考えていることになるので、 π\pi は proper ではない。つまり、xxAA 上整ではないといえる。

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